東北大学入試制度について
東北大学は旧帝大にしては珍しく、経済学部と理学部のみですが、後期の二次試験があります。しかし、多くの大学で後期日程の入試が廃止されたいま、前期で東大など最難関大学に落ちた受験生が東北大後期の枠を争うため、できるだけ前期日程で合格しておきたいです。また、どの学部でも基本的に二次試験の配点が大きく、ある程度の思考力・記述力を養っておくことが必要です。とはいえセンター試験もそれなりの配点比重をもっているので、通常の学部なら8割程度、医学部なら9割程度ほしいところです。
理系学部では英語数学理科2科目、文系学部では英語数学国語が試験科目として課されます。文系学部は2次試験に地歴公民がないので、それを見据えた計画的な勉強が必要です。(地歴公民偏重ではなく、英数国をしっかり底上げするような学習を!)先ほど述べたように大まかにはセンターよりも二次試験の方が点数のウェイトが重いですが、細かな配点・学部ごとの試験科目(主に理科の選択)に関しては大学HPを参照してください。
具体的な東北大学二次試験の対策について
東北大学は、非常にレベルの高い思考力を要求される最難関大学とは異なり、基本をおさえれば解くことができるスタンダードな問題を出題する傾向にあります。しかし、スタンダードといえど、付け焼き刃の解法丸暗記で通用するということはなく、基本原理を理解してしっかりと演習を積めば無理なく解ける、というレベルなので、日頃からしっかり演習を積むことがやはり大切になってきます。
文系・理系に共通する数学と英語についてより具体的な傾向と対策を書いていきます。
・数学
東北大学の数学は、文系が大問4つ、理系が大問6つの構成となっていて、各分野から満遍なく出題されています。特に理系の学部では、入学後も物理などに必要になってくるという観点からか、微分積分の分野が頻出となっています。問題傾向としては、奇抜な発想を要求される問題は少なく(あることにはある)、誘導に従い、素直な発想をすれば解ける問題が多く出題されます。したがって、標準レベルの入試対策問題集、例えば大学への数学 一対一対応の演習や、青チャートなどをしっかりとやり込んで、スタンダードな問題の解法を習得したのち、過去問演習で傾向と時間配分の感覚をつかめば、十分合格ラインの点数は確保できます。逆に言えば、あまりハイレベルな演習書、例えばハイレベル理系数学などはよほど暇でもない限りやらなくてもよいと思います。
・英語
東北大学の英語では、長文読解や英作文はオーソドックスな傾向の問題なので、英語の勉強ルートなどを参考に地道に積み上げる勉強をすれば得点できるようになるはずです。しかし、唯一東北大学の英語で特徴的なのは、会話文の読解が出題されることです。会話文では独特の言い回しが用いられることが多く、それらについてある程度知識がなければ対応することが難しいので、ネクステの会話表現の部分等は意識して重点的に取り組むと良いです。
また、問題傾向をつかむという観点から、大学別模試は積極的に受けましょう。
以上を踏まえて、東北大学の傾向・対策をまとめます。
- しっかり基礎から積み上げていれば解けるオーソドックスな出題。日々の学習を丁寧にこなしましょう。ずば抜けた発想力などはそんなに必要ではない。
- 配点は二次試験が重め。センターで多少しくじっても挽回は可能。
この記事が東北大学を目指すみなさんの役に立てば幸いです。皆さんの合格を祈っています。