1.従来の小論文の書き方の盲点
従来の小論文の書き方は一面的なものばかりが目立ってきました。例えば、「イエスかノーを述べましょう」「確かに〜しかし〜という形で書きましょう」などの小論文の書き方のアドバイスがなされてきました。もちろんその書き方で書ける問題も存在します。しかし、全ての小論文を同じ書き方で書くことはできないのです。ここに従来の小論文の書き方の問題点がありました。実際の小論文の出題に対しては大きく分けて「二つの書き方」が存在するということをまずは認識しましょう。二つの書き方とは「議論型」と「問題解決型」です。ここではその二つの書き方をまずは理解しましょう。
2.議論型小論文の書き方
「議論型」小論文とは「ある主題に対して賛成か反対かを述べるもの」です。従来はこの書き方が教えられてきました。また、実際にこの「議論型」の書き方でかける小論文の出題も多かったのです。
「議論型の小論文の書き方」とは
①課題文の「主張」と「根拠」を捉える。
↓
②課題文の主張に「賛成」か「反対」かを表明する。
↓
③自説の「根拠」を述べる。
↓
④「結論」を導く。
という順番で記述していくものです。
「賛成」の書き方の注意点は課題文にある根拠や具体例以外の根拠や具体例を補足するということです。よく見かける「賛成」の答案に、課題文の主張と根拠と具体例をそのまま書いているものがありますが、それでは合格点は取れません。なぜならば、議論に参加していないとみなされるからです。
「反対」の書き方の注意点は「課題文の主張の根拠を否定する」ということです。筆者の主張を否定するためには否定文が正確に作れなくてはいけません。「AはBである」の否定は「AはBでない」ではなく「Aは必ずしもBとは限らない」という文になります。「AはBでない」では否定文として強すぎます。例えば、「小論文は難しい」という文の否定として「小論文は難しくない」と言ってしまうと「全ての小論文の問題が難しくない」ということを主張することになり、一つでも難しい問題があれば「違うじゃないか」と反論されます。ですから、「小論文は必ずしも難しいとは限らない」という否定文を作る必要があります。そして、難しくない小論文の例を上げる必要があります。このような例を「反例」と言います。これらの一連に記述がなされて初めて「反論」として認められます。このような作法を守らないような反論は不合格になってしまうでしょう。
3.問題解決型小論文の書き方
「問題解決型」小論文の書き方とは「ある問題に関してその問題が生じている原因を分析して解決策を述べる書き方」です。
最近の小論文ではこちらの問題解決型が目立つようになってきました。
この問題を従来の議論型の小論文の書き方で書こうとすると、不自然な答案となり不合格となるのです。
「問題解決型小論文の書き方」とは
①課題文から「あるべき姿と現状の差=問題」を読み取る。
↓
②課題文から「問題」の「原因」となる事柄を読み取る。
↓
③「原因」を取り除くような「解決策」を提示する。
という順番で記述していくものです。
「問題解決型」の書き方の注意点は、「原因分析」が適切かどうかというところです。ある事柄XとYに「相関関係」が認められたとしても「因果関係」が認められるとは限りません。ですから、「これが原因かな?」と思ったら、次は「本当に因果関係が成立するのかな?」と疑うことが重要になってきます。問題解決型ではこの原因分析が小論文の出来栄えを決定すると言って良いセクションですから、原因分析は詳細に行うようにしましょう。また、原因分析は文章で行うだけではなく、グラフや表や図から読みとらなければならない場合もあります。資料の読解をする際は「因果関係」に注意すると良いでしょう。
小論文の書き方のオススメ参考書
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